【初心者GM(KP)要チェック!】吟遊GM(KP)にならないためのコツ2選

 皆様、今日も楽しいTRPGライフをお過ごしでしょうか?

 自分がGM(KP)?
 セッション直前でドキドキしながらシナリオを読み込んでいる?

 なるほど!
 でも、そういうセッション直前って、こんな不安を覚えることはありませんか?

  • 実は初GM(KP)なんだよな。PLの発言に、うまくアドリブできるかな?
  • PLに『吟遊GM(KP)かよ、つまんねー』って思われちゃったら、どうしよう……。

 そうですよね。
 『吟遊GM(KP)はよくない』という話は多く流れていますが。

 じゃあ何をするといいのか?
 いけないのか?
 意外と知るのは難しいものです。

 そんなわけで今回は、吟遊シリーズ・GM(KP)編。
 GM歴25年のTRPGおじいちゃん・りょーさんが、

「吟遊GM(KP)にならないためのコツ2選」

 についてお話していきます。
 ちなみに吟遊シリーズ・PL編は、以下で記事にしています。

 先にお伝えすると、大事なのは「しっかりとした事前準備」。
 特に具体的なコツは以下の2つです。

  • コツ1:NPCの”立ち位置”を噛み砕く
  • コツ2:PC設定から使えるところを拾う

 ぜひ、最後まで読んでいってください。

サクッと前置き:吟遊GM(KP)とは?

 PL編から続いている方には重複になりますが、今回から読んでいる人のために前置きさせてください。
 『吟遊GM(KP)』とは何か、です。

 この記事では、

参加PCのロールプレイに対し、
誰にでも返せるロールプレイしかGM(KP)が返さない。
結果、『自PCが参加している感』が薄く感じるマスタリング(キーパリング)

 これを『吟遊GM(KP)』の定義として扱います。

 PCが何を言っても、NPCはシナリオに書いてあることを読み上げるだけ。
 シナリオに分岐が合っても、選んだ選択肢に応じて、シナリオの分岐先を読み上げるだけ。
 そして、シナリオに書いてあるとおりの結末を読み上げて、セッションが終わる。

 今回やるのは、こーいう『吟遊GM(KP)』にならないためのコツです。

 加えて、この記事では

『吟遊シナリオではないシナリオが、書き終わって手元にある』

 ことを前提にしています。
 最初は他の人が書いたシナリオを回すのが楽ですが、自作するときは以下の記事を読んで、『一本道でつまらないシナリオ』、いわゆる”吟遊シナリオ”にならないよう注意してみてください。

キモは”アドリブの前準備”!

 『吟遊GM(KP)』になるのを避ける一番のキモ。
 それは、事前の前準備。特に”アドリブの前準備”になります。

「前準備したら、もうアドリブじゃなくない?」

 この、一見意味不明な話を説明するために、例え話をさせてください。

 アナタが、京都に旅行に行くとしましょう。
 定番の旅行先ですが、実際に旅行するとなると、いろんな想定外があるものです。

 1つは、京都という場所に起因する想定外。
 例えば、「京都は電車網が発展しておらず、バス移動が中心になり発着・移動時間が変動しやすい」とか。
 例えば、「葵祭と旅行時期がかぶって、葵祭に興味が無いのに混雑に巻き込まれる」とかです。

 もう1つは、旅行者であるアナタ自身に起因する想定外。
 例えば、「赤ん坊を連れて旅行しようと思ったら、寺の参道でベビーカーが使えずメチャキツイ」とか。
 「『おジャ魔女どれみ』の聖地巡礼をしようとしたら、1泊2日では足りそうにない」とかです。

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 他にも想定外は起こるでしょうが、この2つの特徴は『事前に考えれば対処可能』ということ。
 なにせ、行き先が京都で、アナタが行くことは確実ですから。

 事前に移動手段をGoogleMapなどで調べれば、移動がバスばっかりなのは気づくはず。(便利な世の中ですね……)。
 「この日、想定外に移動時間を食われたら、ココの観光は翌日に回そう」などと考えられます。

 赤ん坊を連れて行くなら、お寺のHPでベビーカーを押せるルートが有るか調べておくことができます。
 赤ん坊と幼児用品を抱えて観光すべく、大人の荷物は駅前のコインロッカーに入れておく、というのもいい手ですね。

 大事なのは、行き先と旅行者を理解し、何が起こるかを事前に考えること、というわけです。

 で、TRPGに戻ると。
 こういう「事前に考えられる”想定外”」がなにかわかれば、”想定外”に事前に備えることもできますし、現実になったときも対処しやすくなります。

 そして、TRPGでそれに該当する典型が2つ。
 NPCと、PCです。

コツ1:登場NPCの”立ち位置”を噛み砕く

 GM(KP)の個性を出し、PCの個性に対応し、『吟遊か、そうでないか』を分ける。
 その9割くらいは、NPCとの会話が担っています。

 なので、まずはシナリオをよく読んで、登場NPCを理解しましょう。
 これをすることで、初めて「NPCがシナリオに書かれていないレスポンスを返す」ことができるようになります。

 このとき、いちばん大事なのは「登場NPCの、シナリオ上の立ち位置」です。

 これは、NPCの性格より優先されます。
 なぜなら、”立ち位置さえ揺るがなければ、性格は変わってしまっても大丈夫だから”です。
 
 例を2つほど挙げますね。
 
 1つ目の例。
 事件の黒幕・山田太郎が

「自分が狂っていることを自覚しつつも、人類全てへの憎悪と復讐心が止められず、旧友であるPCに自分を止めてほしい男」

 だとしましょう。

 そのとき、PLが突然
「山田太郎が黒幕な気がするので、本人に電話してみます」
 と言い出したとしますね?

 そのときに、アドリブで会話するであろう山田太郎が、自分の犯行を全力で隠してしまったら。
 決戦で対面したとき、こーいう事態になることは想像つきますでしょうか?

「来たか、PC……いや。俺は心のどこかで、こうなることを望んでいたのかもしれない……」
「電話のとき全力で隠しといて、何言ってんだお前は」

 なので、GM(KP)のアドリブ方針はおおざっぱにふたつ。

「電話はつながらなかった(or取らない)」とするか、
「彼は『……おまえの推察どおりだ。俺を止めて見せろ』と言って電話を切ります」とするか、です。

 これがアドリブのときにシナリオの立ち位置が重要になる、ということです。

 2つめの例。
 ヒロイン・天上院花子が、『黒幕にさらわれ、PCに救助される少女』であった場合。

 花子が、
「ようPC、朝メシでラーメン食っていこうぜ!」と肩を組んでこようが、
「ふふーん、ボクの可愛さに今日も見とれているね?」とドヤ顔しようが、
「あ、アンタなんかと通学したくないんだからね! たまたま家が隣で、通学時間も同じなだけなんだから(PCの顔チラッチラッ)」と言おうが、

全部OK。
PLの趣味に合わせても、GMの性癖を詰め込んでも、問題ありません。

が。

「近寄らないでくれる? あんた、親父と同じオッサン臭がするのよ。しっしっ」

これは明確にまずいですし、

「セガハードこそ至高! 任天堂などという古臭い技術にしがみつく企業が生きている現代なんて、アタシは認めないわ!」

 これもリスキーな性格づけなのはわかりますか?
 そう。PLが万が一ゲームボーイやスーパーファミコンの申し子だった場合、救助を拒否されてシナリオが崩壊してしまうのです。

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 要は、

「やっていいアドリブとやっちゃだめなアドリブを区別できるようにしておく」

 ということです。

 これができていないと、PLのアドリブのうち何をOKにしていいかわかりません。
 挙げ句、PLのアドリブを全部拒否した結果『吟遊GM(KP)』認定となることがあります。

 慣れればカンでできたりもしますが、不慣れな間は時間を必要とする部分です。
 注意してください。

コツ2:PC設定から使えるところを拾う

 コチラは、PLへの事前アナウンスが大事になります。
 キャラクター作成をしてもらう際、以下のように伝えておきましょう。

「できるだけPCの個性をシナリオに活かしたいです。性格や特徴的な設定だけでもX月X日までに決めて、教えてください」

 こう言われて、迷惑に感じるPLはまずいません。
 〆切に間に合うかは別として(〆切を守れない人は、やっぱりいるので……)、きっと早めにPCの設定が出そろうことでしょう。

 PCの設定が届いたら、まず読みます。
 よいPLなら、下の記事みたいに、わかりやすく「コレを拾って!」と言わんばかりの性格や設定が書かれているはずです。

 それであれば安心。
 シナリオと照らし合わせて、「コレを拾って!」をどこで拾うか考えましょう。

 もし、設定や性格を読んだあとに、どう拾っていいかわからない場合。
 詳しく聞きましょう。

「過去、XXという施設でひどい目にあったらしいけど、それをきっかけに今のアナタが許せないことってある?」

「君のPCは1000年生きているのか。じゃあ、せいぜい100年しか生きられない人間のことをどう思っている? どんなふうに接する?」

 こうやって、設定を『そのPCのセッション中の振る舞い』まで理解して、そのPCの振る舞いをうまく拾えるようにするわけですね。

 ここからは、設定・性格の拾い方の例。
 例えば、PCが「過去を後悔し人を殺さないと誓った剣豪」だったりした場合。

 単なるチンピラとの戦闘を、こんな感じでアレンジできます。

PC「GM。私は気絶した敵にとどめを刺さず、通報してからその場を去ります」

GM「(そう来るよな。では)あなたが去った後、警官の姿の男が現れ……腰からサーベルを引き抜き、皆殺しにします」

PC「なに!?」

GM「『噂の”不殺(ころさず)”が相手とは。これは急がねばならないようだな』そう言って男は、なんの感慨もなさげにサーベルを紙で拭い、死体を放置して去りました」

 もともとのシナリオに『チンピラが襲ってきて、戦闘を行う』としか書いていなくても、こういう場面が挟まるだけで、いわゆる”吟遊GM(KP)”ぽさがなくなると思いませんか?

まとめ

 ということで。今回は、吟遊シリーズ・GM(KP)編。

「吟遊GM(KP)にならないためのコツ2選」

 について解説しました。
 正直、「メンドクサイ!」と思ったかもしれません。

 ただ、ぶっつけ本番で上手いアドリブができる人は、才能がある超人か、経験が豊富にある職人かのどちらかです。
 どちらでもないとアナタが思うなら、経験を積んだ職人まで、かかさず事前準備をしましょう。

 もし「一通り読んだけど、それでもココが不安だ!」みたいな方がいれば、ぜひTwitterPeingお問い合わせから一声ください。TRPGおじいちゃん・りょーさんが相談に乗れる、かもしれません。

 それでは、明日もよいTRPGライフを。

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